こんにちは、株の女神です。
今回は、毎月分配金がもらえるETFである、【PFF】と【PFFD】を徹底比較!します。配当金を知り、配当金を愛する人は毎月分配ETFの存在、そしてPFFを知るでしょう。ただ今一歩調べてみて、是非とも近年ちょっとずつ存在が知られてきたPFFDも検討に入れていただければと思います。
結論としては、PFFDの方が良いです。
コンテンツ
・ETFの概要&優先株式とは
そもそもPFF、PFFDとなんぞやという人のためにも、最初に軽く紹介しておきます。名前からいきましょう。
【PFF】iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF
【PFFD】グローバルX 米国優先証券 ETF
よくある”会社orシリーズ名+何に投資しているか”の形です。両方に共通しているのは、「優先」という文字ですね。優先株式とは、議決権に制限がある代わりに、優先的に配当を受けられる権利を持った特殊な株式のことです。ハイブリッド証券の一種と言えます。要は発行体からしたら配当額を普通株より増やしておくから経営には口を出すなよ、ということです。
海外ではメジャーですが、日本では優先株式という言葉はあまり聞きませんね。ただ一応日本でも伊藤園が優先株[25935]を東証一部に上場させています。配当金を普通株の1.25倍出す代わりに、議決権は持たせていません。ちなみに伊藤園第1種優先株式の現在の配当利回りは2.2%なので全然低いです・・・残念。
・勝敗付き!基本情報と定量評価
①基本情報
名称 | PFF | PFFD | 勝敗 |
運用機関 | BlackRock | Global X | PFF |
銘柄数 | 506 | 260 | PFF |
時価総額 | 199億ドル (2.23兆円) |
24億ドル (2690億円) |
PFF |
設定年度 | 2007年3月 | 2017年9月 | PFF |
信託報酬 | 46bps | 23bps | PFFD |
ボラティリティ | 18.5% | 16.4% | PFFD |
マックスドローダウン | -34.1% | -30.9% | PFFD |
※注意点として、マックスドローダウンは直近過去三年間の比較であり、リーマンショック時のPFFの最大ドローダウンは約70%にもなります。金融セクターへの投資が多い分、金融危機にはかなり弱いです。
ここで一番重要なのは、信託報酬です。PFFが46bpsなのに対し、PFFDは23bpsと圧巻の2倍差でPFFDの勝ちです。100万円投資したとすると、1年間で4600円取られるか、はたまた2300円で済むのか。大きな違いです。差額の2300円で良いサウナ一回はいけちゃいます。
②分配金対決
名称 | PFF | PFFD | 勝敗 |
直近配当利回り | 4.50% | 5.15% | PFFD |
12か月配当利回り | 4.63% | 5.14% | PFFD |
3年間配当成長率 | -5.87% | -2.56% | PFFD |
【PFF】分配金推移グラフ
【PFFD】分配金推移グラフ
迷う点はありません。直近配当率しかり、配当成長率しかり、PFFDの方が優れています。ただし残念なのは、上のグラフから一目瞭然の通り、両方とも分配金は漸減傾向にあるということです。これは今後購入を考えている人には、絶対に留意すべき点でしょう。
③3年分トータルリーン比較(2019年10月~2021年10月)
名称 | PFF | PFFD | 勝敗 |
3年リターン (価格変化のみ) |
7.09% | 8.79% | PFFD |
3年トータルリターン (配当再投資あり) |
25.40% | 28.19% | PFFD |
(出典:ETFreplay.com、緑線がPFF、青線がPFFD)
はい、もう明らかにPFFDの方が上回っていますね。上記したように、特にトータルリターンに影響を与える信託報酬、分配金の観点からは、PFFDの方に軍配が上がります。時価総額、運用会社のネームバリューはPFFの方が強いですが、それはトータルリターンには直接的な影響はありません。市場流動性の観点でも、PFFDで問題ありません。
・まとめ
定量的評価では、PFFDの方が優れていました。ただこれはあくまで過去の数値であり、この傾向が続くかはだれにもわかりません。私は過去にPFFDの存在を知らなかったときに買ったPFFを持っています。たしかに毎月分配金が入ってくるのは嬉しいのですが、正直もう売ってしまっても良いかなと思っています。というのも、減配傾向にあるため心理的に保有していて気持ちのいいものではなく、今から買うのはお勧めできません。
また、現在値からの値上がり益は見込みにくい反面、金融危機ではしっかり下がるという特徴を持っています。繰り返しになりますが運用期間が長くとれる20代、30代の人にはあまりおすすめはしません。さらに言うならば、理論上今のような金利上昇局面では優先株式は値が下がる方向にあります。個人的には次の相場暴落時にお金が余っているようであれば、検討してもいいかなという程度で現時点で買い増しをする気はないです。
ただ、あえて言うのであれば以下のような人はPFFDを買ってみてもいいかなと思います。
①近い未来での分配金が欲しい人、運用期間が短い人
②日々の値動きは小さいほうが良い人
③毎月分配金が欲しい人
大事なことは、目先の分配金に惑わされず、いついくらのインカム収入が欲しいのかですね。
ご参考になれば幸いです。
ではでは。